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庭 の 蝦 蟇 蛙　（ 庭先ウオッチング ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　 　　　3 / 4

私が敏捷で捉えがたい チビガマ の面構えを確かめたのは中ガマの隠れ家を知った３日後 　　　(9/21)だった。夕刻の散水時、中ガマが穴から抜け出した後、ふと北側の塀の根元に置いた 　　　ブロックに目をやると半ば茗荷の葉に隠れながらチビガマが覗いていたのだ。 このガマを最 　　　初に瞥見したのはおよそ２ヶ月前で、大きさは２、３センチだった。それが５センチ近くに成長 　　　し、体の模様も面構えも既に蝦蟇蛙の特徴を備えていたのである。 水をかけると素早く姿を 　　　くらましてしまったが、チビガマが乗っていたブロックにも一つだけ使える穴があったので、私 　　　はそこが隠れ家ではないかと予想したのだ。しかし、その後１０月半ば過ぎまで観察していた 　　　が、チビガマがこの穴を利用しているという証拠は掴めなかった。 　　　　私が確認した限りでは、チビガマがブロックの穴を利用したのは１０月初旬の３日間(10/4- 　　　6)だけである。 それも中ガマが隠れ家にしていたブロックのまさに同じ穴だった。偶々直前の 　　　数日間は中ガマが穴に戻っていなかったのでそこへもぐり込んでしまったらしい。 ブロックに 　　　は同じサイズの穴が３個あるのだから、どれを使っても良さそうなものだが、と私は首をひね 　　　ったものだ。 チビガマが穴に入った最初の２日間はそのまま構わないでいたが、３日目の夕 　　　刻、散水を始める前に一寸悪戯をしてみた。 穴の上から水をかけて見たのである。 私は以 　　　前にチビガマの跳躍力を見ていたので 「ぴょん」 と飛び出して来ることを期待したのだが、そ 　　　うはならなかった。 手足を懸命に伸ばして穴の壁に突っ張りながら慌てたように這い上がり、 　　　北側の茗荷の叢に飛び込んだのだ。 しばらく塀際でドクダミの葉陰に隠れていたが、一寸目 　　　を離した隙に行方を見失ってしまった。 　　　　悪戯を仕掛けた翌日の朝、ブロックの穴を覗いてみると チビガマでなく 中ガマが戻ってい 　　　る。 背中に枯葉を一枚載せた格好で気持ち良さそうに寝ていたが、体が少し大きくなってい 　　　るのか以前よりも窮屈そうな感じを受けた。 私は 「こいつ、穴に入ったが出てこられるのか 　　　な？」 と心配したりする。 そこでその日の夕方、チビガマにしたように、穴の上から如雨露 　　　で一寸水をかけてみたのだ。しかし、最初は知らぬ振りを決め込んでいる感じで反応を示さ 　　　ない。さらにシャワーを注ぎ続けると落ち葉をはねのけて起き上がり、次いで 「何事か？」 　　　と言うように立ち上がったが、まだ逃げ出す素振りは見せない。私は 「此奴、なかなかしぶ 　　　といな」 と思いながら、今度は如雨露の首を外してドボドボと穴に水を流し込んでみた。 す 　　　ると流石に驚いたか、慌てて穴から這い出して茗荷の叢に転げ落ちたのである。私の「穴か 　　　ら出られるかな？」 などというのは全く余計な心配だったのだ。考えてみれば、野生動物が 　　　そんなドジを踏むわけは無いのである。 　　　　中ガマは１０月末近く（10/２6) までブロックの穴を隠れ家にしていたが、その後ぱったりと 　　　利用しなくなった。夜間の気温が急に下がり始めている折から、より快適な隠れ家に移った 　　　のかもしれない。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜画像をポイントして下さい＞

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