＜　やぶにらみの動物誌　＞

目次へ　／　次頁へ

水皿の風景（３）　　ー　メジロとシジュウカラ　ー　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　1 / 2

庭に設けた小鳥用の水皿を年間を通して最も頻繁に利用しているのはメジロとシジュウカラ 　　　であろうか。 スズメもよくやって来るが、その頻度はこの両者ほどではないようだ。 体に付いた 　　　汚れや寄生虫を落とすためにスズメは庭でよく砂（土）浴びをするが、私はメジロやシジュウカ 　　　ラがこれをするのを見たことが無い。 彼らはクリーニングの手段として水浴びで全てを間に合 　　　わせているためにその頻度が高くなるのであろう。 　　　　メジロにしろ、シジュウカラにしろ、複数の個体が入れ替わり立ち代り登場する。 中にはベテ 　　　ランの番（つがい）も居て、その二代目や三代目まで混じっている可能性もあるが、私は疾くの 　　　昔に個体の識別は諦めてしまった。 単に水を呑むなら２，３秒、水浴びする場合でも通常は５， 　　　６秒程度と彼らの水皿での滞在時間は極めて短い。 それもジッとしている訳ではないから、観 　　　察自体がなかなか難しいのだ。 　　　　とは言え、偶に一羽でひょっこりやって来て、かなり時間をかけて（それでもせいぜい１分ほど） 　　　丁寧に水浴びをしていくこともある。 そんな場面にぶつかり、闇雲にカメラのシャッターを切って 　　　みると、肉眼では全く判らない水浴び中の鳥の表情や仕種を捉えることが出来たりして面白い。 　　　　また、メジロとシジュウカラは水皿でよく鉢合わせをする。 お互い水皿に寄る頻度が多いから 　　　勢いそういうことになるのだ。 通常は後から来た方が近くの庭木の枝で待機するのだが、先客 　　　が１羽の場合には時として混浴に及ぶこともある。 どちらかと言うと、少し長尻の シジュウカラ 　　　の入浴中に痺れを切らしたメジロが飛び込むというケースが多いようだ。 どちらが先に入って 　　　いる場合でも闖入者を追い立てるような仕種を私は見たことが無い。 仲良く水浴びをしている 　　　様子を眺めていると、こちらの気持も和むのである。 　　　　そんな彼らの来訪が４月に入るあたりからめっきり少なくなった。それまではメジロもシジュウ 　　　カラ もよく２羽つれだって来ていたのだが、１羽のケースが多くなったようである。 恐らく営巣し 　　　て子育てに入っているのであろう。 スナップ集には３月上旬に撮影した画像を掲載した。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００８年　４月） 　　　　　　　　　　　　スナップ集（１）　水皿で水浴びするメジロ　（画像をポイントしてください）

目次へ　　　　　　　　　　　　次頁へ