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ハニーブラック／2008　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　 　　　 　　　 2 / 3

８月上旬、５日間ほどかけて少しずつ袋かけを実施しながら貧弱な枝の果房を間引いたが 　　　果粒が大きくなった房を切り捨てるのは勿体無いやら惜しいやらで躊躇するものだ。 結局、 　　　私が始末出来たのは四分の一程度だった。 ８月下旬に入ると、着色の進んだ一部の果房を 　　　収穫し始めたが着色の均一性についてはこれまで同様に良くない。 その後、10月の初めに 　　　かけて都合６度に分けて全量を収穫。 収量累計は １２０ 房、重量にして１８ キロを超えた。 　　　対昨年比で房数は２倍以上、しかし重量は約 １・５倍で平均的には果房が小さかったことが 　　　わかる。 素直に生らせ過ぎの影響が現れた結果と理解しなければならないだろう。 　　　　さて、葡萄作りの反省はさておいて、今年は獲れ過ぎた果実の始末が問題になった。見か 　　　けはあまり良くないが、香りも良く美味しい品種だ。しかし、家で食べる分は知れているし、 　　　冷蔵庫のスペースにも余裕が無い。そこでカミさんの手を煩わせて数人の知人に押し付ける 　　　形で引き取ってもらった。幸い提供先の評判は上々だったようで、正直ホッとしたのである。 　　　　１０月半ば過ぎ、葡萄の樹は例年より半月ほど早く葉を殆ど落としてしまった。 夏場のコ 　　　ガネムシによる葉の食害がひどかったこともあるが、実を生らせ過ぎて体力を消耗し尽くし 　　　てしまったためかも知れない。 そう考えた私は例年より幾分早く、１１月初めに手厚く元肥 　　　を施した。 その時、幹の周囲の土を掘り起こしながら、ふと丁度１０年前の秋のことが頭を 　　　過ぎったのである。 このハニーブラックの前に植えていた葡萄の樹（植付け後１１年目）が 　　　弱っていたので根から掘り出して廃棄したのだ。 ハニーブラックも来年は１１年目になる。 　　　何時に無く早い落葉が気になっていたので 「こいつはまだ大丈夫なのかな？」 という心配 　　　がひょっこり頭をもたげたのだ。これをカミさんに話すと、「ダメになったらそれはその時よ。 　　　元々は日除けが目的だったのでしょ。実を生らすのに血道を上げることは無いんじゃない？」 　　　と、あっさりしたもの。 私は１１月下旬の剪定で古枝を払いながら今年の生らせ過ぎを再反 　　　省し、来年は少し樹を休ませてやらねばなるまいと考えていた。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００８年　１１月末） 　　　　　　　　　　　＜　果房が存在感を示してきた６月中旬の葡萄棚　＞　（'08.6.13 撮影）

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