前頁へ　／　目次へ

欅　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2 / 2

この日、木の上に乗って作業をしながら、私は狭い地面で大きな樹木を 　　伸び伸びと育てる難しさを痛感していた。西側に張り出した枝は既に境界 　　を越えて２メートル余り西隣に侵入している。秋にはかなりの量の枯れ葉 　　が隣地に落ちるのは避けがたい。現状では苦情も出ず、黙認されている 　　というところだが、こちらが何時までも無頓着でいて良いことにはならない 　　のである。遠からず、張り出した大枝を落とす等の処置を取らざるを得な 　　いだろう。２０年付き合ってきたこの欅に、これから先もそんな受難を多分 　　何度か強いなければならないと考えると、先の見通しも無く安易に樹を植 　　えたことの愚かしさをつくづく思い知らされるのである。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （２００５年　６月末） 　＜写真をポイントして下さい＞

前頁へ　　　　　　　　　　　　　目次へ